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zoom RSS 持続する想像力〜Toriさんへ

<<   作成日時 : 2009/06/11 16:10   >>

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ブログ仲間の鳥元明之さんが亡くなった。声帯から食道にかけて癌が出来ていることをブログで知らされたのは半年ほど前のことだった。大手術されてから半年、癌は頭部、腰部、肺に転移し、あっというまにTorigenさんの生命を奪ってしまった。夏には会おう,テニスもやろう、秋にはリー・オスカーとプライベートな音楽パーティーをやろう、その時にはブログ仲間や友人と顔を合わせる空間を作ろう、という約束も果たせぬ進行の速さであった。
12月に、12時間に及ぶ手術を終えたToriさんは驚くべき回復力を見せ、数日後には歩き、あっという間に退院したのである。癌の部位が「ヤバイ」場所だと知っていたペシミストの僕が、これはひょっとしたら生還するかもしれないと思ったほどの回復力であった。その後の抗癌剤治療の一部始終はToriさんの素晴らしい内容のブログ「Tori's Triangle」(=このブログの内容の濃さが、会ったこともない京都人とのコミュニケーションを深くしてくれたのだ)に詳しい。
ぼくは8年前に同じ病で兄を失っている。だから、転移を知った時に彼を励ます言葉を失った。Toriさんも自分の深刻な症状を理解していた。病のディテールについての話題を避け、想像力こそ個人の時間を豊かにする唯一の方法だという、まるで学生時代のような「青臭い」抽象論が互いの逃げ道となった。この「想像力」というテーマは、ぼくがToriさんのブログにコメントを寄せるようになって以来の、ぼくらを結ぶバイパスのようなものだったのだ。

Tori's Triangleにコメントするようになったきっかけは「クルセイダーズが好きで…」というブログで、ぼくが30年ほど前に書いた原稿がそこに載ったことだった。Toriさんはこのブログの常連で、コメント内容が気になったので覗いてみて驚いた。音楽・文学・映画・趣味・・・どのPostも面白いのだ。特に書物の紹介は、驚くべき読書量から選ばれたもので、随分と本選びの参考にさせていただいた。ありがとう!
こうして、ぼくらはITの恩恵を受けてコミュニケーションをスタートさせたわけだが、同時にインターネットによる自由なコミュニケーションの進化を危惧しているという共通の感覚を持っていたのである。ブログのような小規模な情報の共有はさておき、何千、何万という人が同じ情報を持つことの危うさ、そしてその情報が恣意的なものであった時の気味悪さを互いに感じながらコメントをやりとりしてきたのだった。
だからToriさんの好む音楽や映画は、体制という色の付いた集団から個を切り離していく表現のスタイルをもったものが多かったように思える。反権力・反体制という基本的な姿勢が、ぼくらの想像力の共有をより強固なものにしてくれたのだが、彼は自分の姿勢のなかに「反自己」ともいうべき柔らかなクッションを持っていて、異なる考え方をする人までも受け入れようとする優しさに満ちていた。
「Tori's Triangle」に集う仲間はそんなToriさんの強さ、優しさに触れていたかったのだと思う。

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Toriさんの逝去後、「Tori's Triangle」にブログ仲間から追悼コメントが寄せられた。「asianimprovアジア系アメリカ雑記帖」のブログ主で奈良在住のKさんからのものだ。この痛切で悲しい追悼文は、豊かな想像力は個を超えて他人の心を動かすものだという勇気を届けてくれる素晴らしいものなので、ここに紹介させていただきたい。

実は僕は鳥元さんのことをよく知らない。もし知っているとしても
それはトリさんの何百万分の一の断片であって、とても「知っている」 とは言えない。そもそもこのブログにコメントしたきっかけも覚えていないのだからナサケナイのだが、torigenさんと初めて会った日は覚えている。2007年12月23日。場所は岡崎公園近くのビルにあるステファニー・マンハッタン。渋谷毅さんのソロだった。初対面にもかかわらず、昔からの知り合いみたいに話したような記憶がある。初対面なのに、トリさんは僕の屁理屈だらけのブログを誉めてくれた。これには驚いた。「あんな文章は書けない」とか言ってくれたので、「いや、あんな風にしか書けないので・・」と僕は照れたが、ブログを誉められることなど滅多にないので、なんか、こそばゆい気持ちになった。要するに、嬉しかったのだ。

この後、トリさんとは何回か会った。それは神戸のビッグアップルであったり、うちの隣の教会であったり、精華町のナーダムであったりしたのだが、互いに相手の素性を尋ねるでもなく、ただ、音楽を聴いていた。だから僕はトリさんが就いてきた職業も特技もなにも知らない。しかし、もの凄く仕事ができて、同時に、仲間たちと楽しく遊んできた人だということはわかった。中途半端で自分勝手な僕とは違う。トリさんのいままでのことをじっくり聞きたかった。これから聞きだそうと手ぐすね引いて待っていたところに、病気のニュースがブログに載った。

トリさんと僕の年齢は近い。また、僕は学生時代、京都市内に○年もいたので(苦笑)トリさんとは昔話ができた。そういえば、トリさんと会ったステファニー・マンハッタンがある所のすぐ近くでトリさんは生まれたそうだ。ステファニー・マンハッタンで会ったとき、そのことを感慨深げに話していたトリさんが印象に残っている。

このブログは凄い。僕はトリズ・トライアングルでトリさんだけに会ったのではない。トリさんのおかげでchi-B&mastaGとも出会えた。池上さんが僕のブログにコメントを残してくれるようになったのもトリさんのおかげだ。また、このブログには単なるクルセイダーズのファンという枠を越えた音楽好きの面々が集まっていて、ダニー・ガットンのテレキャ
スターから僕のグレコの中古ギターまで、こんなディープな、夢のあるブログはないと思った。

トリさんがいなかったら渋谷毅+竹田一彦や渋谷毅+溝口恵美子というセッションはなかっただろう。この春に僕は竹田一彦さんのギターを聴くために上本町のSUBに出かけた。竹田さんは噂にたがわぬギター職人であった。竹田さんからCDを買った。「京都トリゲンさんの紹介で来ました」と竹田さんに告げると、心配そうな顔で「体調はどうなのかな。よろしく言っておいて・・」と言われた。トリさんがいなかったら竹田さんのことも知らなかっただろう。

僕はトリさんのことを知らない。情報としては、知らない。しかし人間はデータの集積物ではない。情報が多いからその人間がわかるとは限らない。トリさんがこのブログに書き残した、魅力にあふれた書き込みやコメントへの返答にトリさんの生き方が反映されている。そう思う。

くどいようだが、僕はtorigenさんのことを知らない。なのに、なんでこんなに悲しいのか・・。それを言葉にしようと試みたつもりだったのだが、こんな書き込みになってしまった。なんでこんなに悲しいのか。トリさん、勝手に逝かずに、教えてくれよ。
             
Posted by asianimprov at 2009年06月07日 20:57



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2匹の愛猫を抱いた男の画像は、サックス吹きのジョシュア・レッドマンではなく、鳥元明之さんの近影である。ブログの中でToriさんは、自分の顔かたちを自虐的に書いているが、このように「いい男」であったのだ。
この顔かたちに会ったピアニストの渋谷毅さんは、むさくるしい中年男が来ると思っていたのにかっこいい男が現れた、と言っていた。Toriさんを渋谷ワールドに誘ったのはasianさんとぼくである。ストレートに音楽に入り込むタイプのToriさんが、ちょっとややこしい渋谷さんの音楽をどう受け止めるのか興味があったのだ。むさくるしい中年男は、渋谷さんの単純系にして複雑な音楽を心から楽しみ、asianさん主催の教会でのソロ・コンサートを聴きに奈良まで遠征したほどの惚れ込みぶり。嬉しいかぎりであった。

ぼくは紹介者の一人として、Toriさんの病状を渋谷さんに伝えていた。逝去されたことを伝えたらこんな返信があった。

件名: 早すぎる!
なにか呆然状態で声が出ません。川端さんのときもそうでしたが。


Toriさんと渋谷さんは、数回ライブ会場で出会ったことがあるだけだが、互いのブログにコメントを寄せあい、想像力を膨らませていたようだ。日常的なベタベタした付き合いの時間だけが、人の相互理解を深めるものではないということが、この渋谷さんのコメントからもうかがうことができるだろう。

Toriさんのブログ「Tori's Triangle」は、ぼくにもたくさんの想像力仲間を紹介してくれた。

大阪のFunk MusicianであるChi-B & Masta.G(このペアのCDにはライナーまで書かせていただく関係に発展した!)、栃木の泥水飲込さん、福岡のAndyさん、KOOL & THE GANGサイトの主宰者Gパパさん、J・AGEさん、Toriさんの同級生で家族のひとりのように看取っていただいたぶうみんさんとボーカリストのMarieさん、同じく同級生で鹿児島在住の作家・清水哲男さん、熊本で「闘魂ジャズクルセイダーズ大全」を主宰する立花龍さん、静岡のFM局で番組を制作しているこまいぬさん……。いま思い出せずに名前を挙げられない方にはご容赦いただきたい。
すべての方々は、Toriさんの豊かな想像力と優しさに吸い寄せられて、「Tori's Triangle」に集まっていたのだと思う。
いくつもの約束が実現されないままにToriさんは逝ってしまったが、ぼくはこの想像力を持続させることを新しい約束にしたい。
だから、さよならは言わないよ、Toriさん。





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内 容 ニックネーム/日時
昨晩から何回も読ませて頂いています。torigenさんのブログは、Web-Logを超越していたと思っています。記録だけに留まらなかったのは、torigenさんの行動力があったからと思います。遠くのLIVEへ出向き、CDを買って聴き、インディーズなら本でもCDでも複数を購入して(これがありがたいのです。本当に。)記事を読む人に送りまくって宣伝部長をかって出て、と。参加型なのです。傍観者ではなかったのです。そして、アーティストで無い人々にも、一人一人の生活を思い浮かべて相談にのれた人。こんな人そういませんよね。「皆、俺のポストちゃんと読んでくれてるんかな?」と時々言ってたので、私は以前からの全ポスト読破を貫徹するつもりです。素敵な追悼記事が、哀しくもあり嬉しくもあり。もっと話したかったけどなぁ。
chi-B
2009/06/12 14:47
昨日、都内のイベントが終わりました。段取りが大変と言いつつも実際泊まり込んでの本番はきつく、帰宅という時間の断絶がないため頭もリフレッシュせず、テンションの高さとは裏腹に気分は不快の絶頂というのが毎年この時期です。ここでホテルや会場の写真をとり携帯からメールしてtorigenさんのコメントをもらうのが私ののエナジーチャージでした。この期間はイベント用レンタルPCなので決してブログにコメントしませんでしたが、今年ははじめて会場からコメントしました。
そして私はこのまま東南アジアへ出ていきます。空港等々ポイント、ポイントで写真をとりメール、そしてブログへの「欠席届」。これも毎年同じです。不在中の私のことまで皆さんで話題にしていただいたり、本当に多くの人と繋がったな〜といつも感じていました。体力に反比例した多忙さのなかで唯一自分の正気(?)を保ち、そして自分の存在を客観的に確認させていただいていたかもしれません。とてもつもなく寂しいですが、torgenさんを筆頭とする多くの皆さんとの繋がりを今まで以上にしっかりと感じています。
J・AGE
2009/06/13 18:02
chi-Bちゃん、J・AGEさん、コメントありがとうございます。
お二人にとってToriさんはとても大切な人だったことは、これまでのT Blogでもよーく分かってました。ぼくがToriさんの代役になれるわけはありませんが、Jさんのおっしゃるように繋がりをKeepして、Tori魂を引き継いでいきましょう。
あの優しくて、ラジカルなコメントをもらえないと思うと、ホントに寂しいです。
IKEGAMI
2009/06/13 18:48
IKEGAMIさん、皆さん、こんばんわ!
Torigenさんのところはいつ行っても暖かく迎えてくれるホッとできる大事な場所でした。別のところでIKEGAMIさんのお話をTorigenさんと楽しくさせて頂いた事がつい昨日のことのように感じます。アンフェアな出来事が多い中で、いつもフェアな(と私は感じてました^^)Torigenさんが大好きでした。素敵な記事と写真をありがとうございました!
Kim
2009/06/13 23:57
Kimさん、コメントありがとう。
Torigenさんとはついに直接会うことは出来なかったけど、それ以上の交感が出来たと思ってます。
面白い話もいっぱい聞かせてあげたかったし、酒の肴も作ってあげたかった。渋谷さんと3人で、犬と一緒に朝まで飲み明かしたかった。(あのピアニストはうちで12時間以上飲み続けたことがあります)
でも、ずーっとそんなことをしてきたように思えちゃうんです。人柄、文柄、ブログ柄なんでしょうね。
IKEGAMI
2009/06/14 08:11
昨晩の「渋谷毅@神戸ビッグアップル」に、同じビッグアップルで去年の7月に撮影された鳥元さんの写真と写真立てを持参しました。写真は鳥元さんのご親戚であるよっしーさんが撮られたものです。

渋谷さんに頼み、終演後、ピアノの上に写真を置き、一曲弾いていただきました。曲が終わるまでシャッターを切りました。IKEGAMIさんにも送りました。

torigenには堅苦しい儀式は似合わないので、演奏と撮影を、写真嫌いの渋谷さんに特別にお願いしました。ささやかな追悼です。勿論、渋谷さんには深く感謝しています。

昨日撮った写真は、鳥元さんのお母様のところに届くことになっています。

以上、簡単ですが、ご報告まで。
asianimprov
2009/06/14 10:38
asianさん、写真ありがとうございました。ご苦労様でした。
早速、紹介させていただくことにしましたが、最新Postのようなことがありました。
Toriさんはasianさんのブログ(つまりは人品)を尊敬してましたから、朝っぱらからコミュニケーションに加わろうと企んだんでしょうねえ。わはは、と言うしかありません。
IKEGAMI
2009/06/14 13:53
すっかりご無沙汰して、申し訳なく思っておりましたら、思わぬ訃報で驚きました。遠くからですが、ご冥福をお祈り申しあげます
トキワ
2009/06/17 01:05
トキワさん、こちらこそご無沙汰してます。
WEBのBBSが停止して長いですね。帰国したらまた焼肉食いに行きましょう。
Toriさんも誘いたかったね。
IKEGAMI
2009/06/17 08:33

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