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zoom RSS Yes you can, but wish you can

<<   作成日時 : 2008/11/08 20:46   >>

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バラク・オバマが第44代アメリカ大統領に選ばれた。獲得した大統領選挙人の数を見るとダブル・スコアの圧勝である。ぼくは風邪気味のため終日ソファで寝ながらCNNのLIVE番組を見、ていたのだが、目を覚ますたびに獲得数が広がり、新大統領を確信したアメリカ中の興奮が高まっていくので面白くなり、ついには寝られなくなってしまった。
LIVEのニュースをこれほど連続して見たのは、ケネディ暗殺、浅間山荘、サイゴン陥落以来のことだ。シカゴの中心部にある公園グラント・パークにオバマ支持の人々が続々と集まってくる。最終的には20万人もの大群衆がアメリカ初のアフロ・アメリカン大統領誕生の瞬間に立ち会うこととなった。なかには「オバマニア」という熱狂的な支持者もいて、全米各地の演説会場に付いて行ってスピーチを聞いてきたらしい。この民主党の若い大統領候補の、人種・年齢・性別を超えて人をひきつける言葉と行動力、そして冷静さと忍耐力のバランスが人々を駆り立てたのだろう。

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イラクへの軍事行動、金融危機を誘発したサブプライム・ローンの破綻、それが原因となった金融機関の破綻と、世界の秩序を崩壊させた「犯人」として国際社会から非難されている国は、この若いマイノリティを大統領として選んだことによって多少は救われた感がある。どのような失政があろうと世襲議員が総理大臣になってしまう国とは、デモクラシーのありようが根本的に違うのだ。
だが、バラク・オバマには茨の道がまっていることも確かである。彼が大統領選に勝ったのはいくつかの具体的な理由がある。まず、イラク戦争の手詰まり。開戦時から一貫してこの戦争に反対してきたことによって、ヒラリー・クリントンと一線を画したオバマの「反戦」姿勢は多くの人々から支持されたのだ。
副大統領候補のペイリン女史の不評も追い風だったが、最終的な「神風」となったのはやはり金融危機。これに対し明確な政策を持てなかったマケインの支持率は坂を転がり落ちるように低下することになった。
アフリカ系黒人としての姿勢よりも、人種を超えた政策を訴える彼は体制に疑問を持ち始めた白人層からも歓迎された。シカゴのスラムで社会活動をしてきたキャリアが導き出した「草の根」運動の方法論も、金の力だけに頼る既成政治家との並列から抜け出して、支持エネルギーを沸騰させる源泉となったのだ。
かくして、4年前までは無名の上院議員にすぎなかったオバマは政治常識を覆し、その帰結として大統領の座をかち得たと言えるだろう。

ぼくはバラク・オバマがこれまでの大統領たちと決定的に異なると思うのは、軍産複合体制と石油資本の外に位置していることだ。だからこそ彼は、核廃絶を訴えることができ、イラクからの撤退を進めることができるのである。
大統領就任後のオバマには茨の道が待っている。まず彼の足を引っ張るのはブッシュ政権の負の遺産である。120兆円になんなんとする公的資金導入による不良債権の処理は膨大な財政赤字を生み出すのが目に見えているし、消費を支える戦争を止めれば深刻な不景気を招きかねない。おそらくブッシュは在任期間中に、さまざまな仕掛けを企むこと必定だ。
細かく見れば「四面楚歌」というのが現実。さらに保守白人層は「暗殺」という最終兵器を持っている。この兵器を使ったらアメリカは再び蘇生することが不可能になる、という程度の知能を彼らが持っていることを願うのみだ。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど。
軍産複合体制と石油資本の外。
でもそんなバックを持たない者が大統領になれる国。

政治家の選び方が日本とアメリカであまりに違いすぎて。
でもなんかアメリカって映像重視、イメージ重視に過ぎるような気がするのは、この国の政治の下で生きていかねばならぬ運命にある者のやっかみか…?
半斤八両
2008/11/08 22:37
半斤さん、どうもです。
日本もかなり映像重視、イメージ重視だと思いますよ。小泉劇場がいい例。ただし映像はバラエティ番組、イメージは貧弱なマスコミによって作られたもの。ちゃっちいんです。
ぼくは次に「反国益論」をまとめようと思ってます。って、なかなか音楽にたどり着きません。
IKEGAMI
2008/11/08 22:56
風邪の具合はいかがですか?
お腹を出して寝ないようにご注意下さい。

オバマ氏の勝利直後のスピーチ、ちょっと感動しました。
記者会見で質問にたった女性記者の怪我した腕のことをラフに尋ねたときの彼も、いい感じでした。
黒人系指導者は、暗殺で消されることが多いから、どうか無事に彼の大統領としての手腕を見てみたいと思いますね。

唯一の核攻撃を受けた国でありながら(それも2回も)、核廃絶を命をかけて訴えることさえしない日本という国を、オバマ氏がどう評価し判断し”使ってくれるのか”、今までに無い展開になると面白いなと思います。
オバマ氏とリンカーンが、なんとなくクロスしました。
アメリカってやっぱり面白くて怖い国ですよねぇ。
yasunoAITCHI
2008/11/09 12:47
最悪の時に就任って感じですネ。前任者の大きなツケをどう精算して行くのか大変な仕事を抱えてしまったというのが正直な処でしょうか?軍産複合体と石油業界やアメリカライフル協会などとシガラミが無いというのは大変良いことですが逆に云うとホワイトハウスや議会のうるさ型の蠅たちとも繋がりが薄いってことでマスコミの操作なども難しいかも知れませんネ。ネットなどで募金をした大衆がどれだけ関心を持ち続けて支持するか…というのが最大の重要事項かも知れません、犬選びに続いて…わはは。
torigen
2008/11/09 13:01
yasunoさん、こんな寒いのに腹出して寝ないよ。MAXは今もひっくり返って腹出して寝てますけどね。
うん、最大の問題は白人至上主義者たちの動向です。TVでもアメリカ通の人たちが本気で心配してました。
これまで核廃絶を公約にした大統領はいませんでした。でも、アメリカの軍部もロシアも核実験再開の動きがあります。
さらに環境問題は企業の利益低下に結びつくので難しい。(ただし、これについては養老孟司=池田清彦両氏による論陣を読んで、考えを変えなきゃいけないかなと……。両氏は京都議定書なんかさっさと離脱しろと言ってます。彼らの本は面白い!)
Toriさん、ホントに最悪の時期です。5ドル、10ドルという額を献金してくれた大衆を直接ホワイトハウスに結びつける方法が最大の護身方法だろうけど、敵も必死だから。大衆の動向が常に正しいとは思いませんが、彼の基盤はそこだから。オバマの草の根方法論は日本の民主党が本気になって取り組むべきことでしょうね。
IKEGAMI
2008/11/09 15:40

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