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zoom RSS K君の旅

<<   作成日時 : 2006/04/20 23:58   >>

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初めてK君に会ったのは、近所にある犬の預かり・ホテル・散歩代行・躾・トリミングをするお店であった。彼は専門学校のペット・コースを卒業したばかりで、そのお店に就職して犬の面倒を見始めたフレッシュマン。外見はヤンキーな兄ちゃんなのだが、話してみると真面目の頭に馬と鹿がついてるほど、真摯に犬のことを考えている。どうしたら犬が楽しく幸せに暮らせるかということだけだったら、犬好きなら誰でも考えているだろうが、彼は犬の豊かな生活を「人と犬の関係」から作ろうとしていた。

「このお店に1日預けや何日かのお泊りで犬を預けるお客様から、躾をやってくれないかと頼まれることが多くなってるんです。オレに躾をやって欲しいという依頼があれば、もちろんお応えするようにしますけど、飼い主はお客様なわけで、オレの言うことをきくようになってもしょうがない。だからお客様が犬とどういう生活をしたいのかを尋ねるんです。で、それに即した犬と飼い主の関係ができるようにお手伝いするっていうのが、オレの仕事だと思ってるんです」

彼の悩みは、犬について勉強していない飼い主が多いということであった。例えば「訓練所」。そこに犬を預ければ問題行動が矯正できて、オリコウサンになって戻ってくると思っている人が多い。(こういう飼い主は自分の子供の先生や学校に”ちゃんと躾て下さい”とクレームつけたりする人が多い。学校側もハイハイと言うこときいてないで躾は家庭でするものでしょ”と言えなきゃダメなんだ)関係者の話によると、訓練所で優等生の犬が家に戻ってきて、飼い主の言うことをきかない率は5,6割だそうだ。いわゆる時代遅れの「スパルタ訓練所」ほど、この傾向は強くなる。トレーナーは怖いから指示に従うが、飼い主は怖くないし、尊敬して従うに足る人でもない・・・。となると、高い授業料はドブに捨てるに等しい。
K君は躾依頼の客に、まずは犬は飼い主との関係のあり方で言うことをきいたり、きかなかったりすることを説明し、一緒に躾をすることを勧めることにしていた。だが、その意味を理解できる飼い主は5人に1人くらいらしい。そして、躾の説明が熱心なあまり飼い主から煩がられ、経営者から転勤を言い渡されたK君は、お店を辞めることになってしまったのである。ぼくは彼に中西典子さん(このブログの「ぼくと犬の物語』を参照していただきたい)の躾のシステムを紹介し、同じ事を考えてる人もいるから、諦めずに頑張れと激励したのだった。

K君はよくぼくの家に遊びに来て、アメリカやヨーロッパの犬の躾と環境についての語り合った。散歩の代行をやってもらったり、ぼくが家を空ける時には1週間も泊まりこんでMAXの面倒を見てもらったりと、付き合いが深まった。
彼の語るところによれば、専門学校を卒業した時に同級生と一緒にロスアンゼルスに住む叔母さんのところに遊びに行ったのだが、そのときは目的意識なしに行ってしまったので、次に行く時はもっとしっかり勉強してきたいんだそうだ。彼が勉強に行きたい国は、ドイツかイギリスかオーストラリア。経済的なことを考えると、ワーキング・ホリデーの留学システムがあるオーストラリアが行き易い国だという。

「犬の躾けの方法は日本にいても情報はあるし、それだけだったらわざわざ外国に行って勉強しなくても、って思うんですよ。オレが見てきたいのは、人と犬との暮らしなんです。犬とどういう暮らしをしたいと思ってるのか、そのために何をしているのかっていうことは、行ってみないと分かりませんからねえ」

ぼくが彼にアドバイスできることは、日本という狭いがゆえに強い拘束力を持った場所から自由になって、自分を見る旅のススメ。「オーストラリアの犬環境を見る」んじゃなくて「オーストラリアの犬環境を見ている自分を発見する」ための旅であって欲しいと願っている。
この冬、オーストラリアに旅立った彼から、シドニー到着直後には何回か携帯メールがきたがこのところ音信不通。便りのないのが元気な証拠、と勝手に思っている。K君、キミだったら自分自身を旅することができるはず。頑張ろうな!

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コメント(8件)

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う〜ん・・なんだかオバサン、胸が熱くなってきちゃった。犬に対する真摯な姿勢、希望、挫折、挑戦、旅立ち・・。
《若いということ》の全てを持ったK君!
応援せずにおれません。
よく人生そのものを旅に喩えますね。
夢に向かって歩くK君の旅が、
親切で心優しい人々に恵まれますように・・。
そしてたくさんの犬たちが、K君と出会えますように・・。
horirin
2006/04/21 14:03
早速のコメント、どうも。

「アンポンタン」の命名者、K君のことは忘れられませんよね。ぼくら犬の飼い主仲間は随分と彼にはお世話になりました。素晴らしい旅を終えて、近くで犬の仕事が出来ると楽しくなるんですけどねえ。

MAXなんか、彼が来ると嬉しくてベロを噛んで血を流しちゃうくらいですから。彼と話していると、初めて外国に出たころの自分を思い出しました。今ごろどうしてるかなあ、メールしてみようっと。
IKEGAMI
2006/04/21 14:52
ええ話です。
関係性が大切ですからね、この視点が無いのにノウハウだけ身につけても最終的に頓珍漢な事になります。
帰国が楽しみですね!
泥水飲込
2006/04/21 19:25
違う世界でより素晴らしい自分をみつけてくださるでしょうね!期待大です。素晴らしい次世代の日本人が誕生することを祈ります。
ああ、私も自分をさがさなくちゃ。
J・AGE
2006/04/22 18:26
世界は広いですね。でも、全く異次元で手のとどかないものでもない。と今、感じてます。この旅が終わった時が楽しみでしょうがありません。きっと、必ず今とは全く違う世界が見えてると思います。その頃には、今よりもっと自分が自分を好きな人になってたいです。そうすれば、これからの人生も犬の仕事も、より楽しめそうです。今している全てがそのための物!これからも、、まずは、タイピング(typing)からかな!?
今、ドイツ人とイギリス人がフラットメイトなんで情報がもらえるかもしれないです!!!
max元気か〜い??
DOWN UNDER
2006/04/28 17:01
みなさーん、K君からコメントが入りましたよー!

元気で充実した旅を続けているようです。
ぼくらがいま彼にしてあげられるのは、このブログも利用してもらって、何か知りたいことなどがあったら答えてあげることくらいかな。

早くオージー訛りの英語を話す彼と会いたいなあ。
トゥダイ・イズ・モンダイなんていわれたら、今日は月曜、じゃなくて問題あるのかなとおもっちゃたりして。
IKEGAMI
2006/04/28 19:24
やっぱりバレちゃいました?ちょっと、困惑するのが少し楽しみだったんですけど^ー^
たまに時間があるときは、こうして、IKEGAMIさんの笑えるブログを見て楽しんで、励まされたり、話し方の勉強をしています(個人的な)。他に時間のあるときは、パブにジャズやへヴィメタ、ファンキー、ブルースなど聞きに行ったりします。(こっちでは夜中まで耳が痛くなるよう音量でパブでプレイするのが普通らしいです)後は、仕事付けで英語の勉強でいっぱいいっぱい!イギリス人のお姉さんはフラットメイトで国に帰ったらトレーナーになりたいそうで昨日の夜も遅くまで話し込んじゃいました!!
DOWN UNDER
2006/05/04 16:21
K君!元気そうですね!
今日のお散歩の時、IKEGAMIさんからK君のコメントの事を聞き、急いでPCを開けました(^。^)
K君!君がここに居なくても、時々君の事が話題になり遠いところに居るなんて信じられないよ!
頑張って!もっともっとカッコいい青年になって帰って来てね(^_-)-☆
こめ母
2006/05/09 12:57

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