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zoom RSS ぼくと犬の物語 5

<<   作成日時 : 2006/03/06 13:26   >>

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生後5ヶ月をこえたMAXは、赤坂動物病院の躾け教室で犬同士のコミュニケーションを覚え、同時にぼくも犬に関する実践的な知識を色々と学ぶことが出来た。だが、パピー・クラスの躾け教室に通えばすぐに別犬28号になれるというわけではない。家の中での問題は次々に起こるものなのだ。公園で会った同じレトリーバーの問題行動は家具の破壊。飼い主の話によると、まずソファーがびりびりに裂かれ、次はテーブルの木の足がやられ、3本足になってしまったらしい。いつ柱に被害が及ぶのか、戦々恐々の日々だというのだ。テーブルが傾くのは許せても、家が傾くのは困るだろう。その子の友達などは壁に穴をあけ、そこからリビングに出入りしてるらしい。それに比べればMAXの悪戯は可愛いもので、留守番の時にカーペットに穴を開けられたのが最大の被害であった。
そして、MAXはというとそろそろ自我が芽生え、要求吼えをするようになってきた。普段は声が出ないんじゃあないかと思うくらい吼えない犬なのだが、お腹がすいた時、早く散歩に行きたい時に吼えるのだ。当時の住家はマンションだし、これは困ったと思っていると、所帯主がインターネットで躾けの家庭教師を見つけてきたのである。世帯主のアイデア第3弾が飛び出した。
「ねえ、躾けの家庭教師って知ってる?来てもらおうよ」
「えー、ぼくがやるからいいよ。躾け方なんて20通りくらい知ってるもん。いろんな躾け方の方法とその違いという本が出せるくらいね。ただ、MAXがその通りにならないだけ!」
「でしょう。どっか違うのよ。ほら、このひとの躾け方はちょっと変わってるの」
と、インターネットの画面を押し付けてきた。テレビのF1グランプリが、ラスト5週のデッドヒートだと言うのに・・・ほーら、シューマッハーがオーバーテイクするの見逃しちゃったじゃないか。ぶつくさ言いながらPCを膝の上に載せ、右目はF1、左目はPC、右手はマウス、左手はちょろちょろしてるMAXの首輪というような、千手千目観音状態となったのである。世帯主が探し当てた「犬の家庭教師」のHPは、確かに興味深いものであった。どこがぼくの心を捉えたかというと、まず「躾け」と「トレーニング」をはっきり区別している点、そして、プロフィールを読むとトレーナーになるまでに、いろいろと楽しそうな自分の時間を作ってきた人らしいという点だ。犬の関係者にありがちな「犬の金太郎飴状態」(どこを切っても、犬、犬、犬、という意味!)じゃあなく、自分を形成する沢山の要素のひとつとして「犬」がある。あ、この人は面白そう、とぼくの勘が判断したわけだ。
その人、中西典子さんは武蔵野美術大学卒業後、舞台美術を志し妹尾河童氏に師事。その後、外資系化粧品会社の宣伝広告部に勤務して数年間アメリカ生活を送る。その後、新宿ゴールデン街で飲み屋を開業するなど、犬関連のこと以外ではぼくの過ごしてきた環境にかなり近いところにいたような人なのだ。まあ、時代的なズレはあるだろうけど・・・。
数日後、中西さんが我が家にやってきた。来客があると我先に玄関に飛び出すMAXは、その時は重たい椅子に繋がれていた。
ひととうりの挨拶が終わった後、中西さんがおっしゃった。
「これから基本的なお話をさせていただきますが、こうやって繋いで置くというのはいいことですね。まだ、飼い主の許可が出るまで待つというのは出来ないでしょうからね」
あ、そんなきちんと考えて繋いでいたわけじゃあないのだ。ちょっとうるさいから・・・。
「では、MAXくんの問題点をお聞きする前に、犬の行動についてお話させていただきます」
何枚かの写真がテーブルの上に出された。
「これは狼の群なんですが、どの狼がボスだと思いますか?」
群社会を構成して生きるということでは、犬も狼もいっしょ。示された写真には岩山に群れる狼のグループが写っていて、一番上でボスらしき風貌の狼が颯爽と座っている。その横に控える番頭さんは頭を下げ、「あっしはボスより高いところには出ませんぜ」と言っているかのようだ。
「そうです。このボスのポジションに飼い主さんがこなくちゃいけないんです。人と犬との主従関係がはっきり出来上がれば、犬は飼い主の言うことに従います。従うことに喜びを感じるようになる、といってもいいです。名前を呼ばれることはもう至上の喜び。目を向けられるだけで、お腹を見せちゃうくらい嬉しいんです。ただし、そこまでなるには飼い主さんが犬から無条件で尊敬される絶対の存在にならなくちゃ駄目なんです」
ははーん、犬を躾けるということは犬に尊敬される飼い主を躾けるということなんだな。それは、ひょっとして犬を躾けることより難しいかもしれない。
「よくお分かりのようで。実はそうなんですよ!」
うーん、うちの場合、ま、ぼくらがご主人だという意識は多少持っているようだが、「意外とちょろい主人だ」と思われているかも知れない。尊敬ねえ・・・、ぼくは人様から尊敬されるような人間じゃなかったと絶対の自信をもって言い切れるから、うーん、困った。メインキャストのHPの中で、渡辺格さんも「犬に民主主義は通用しない」と言ってて、それはよく分るんだけど、犬のほうがそんなダメな飼い主を反面教師にしていい子に育つ、って例はないかなあ。互いに笑いあう関係っていうか・・・。中西さん、笑いを噛み殺しながらアドバイスをしてくださった。
「まあ、ないでしょう。ご自分のダメなところはまず置いといて(いけねえ、犬だけじゃなく、飼い主のほうまで見抜かれていた!)、やっぱり頼もしくて尊敬されるボスになりましょう。その基本的な関係が出来れば、笑いあう関係も作れるでしょうから。ククク。現在MAXくんは、どのくらい我儘を許してくれるか、探ってるところだと思いますよ」
続いて、中西さんの飼い主インタビューはMAXの具体的な問題行動のチェックに移る。
「MAX君の場合、基本的な躾けはまあまあ出来てると思います。シリアスな問題行動もないようですしね。ちゃんと勉強なさってる飼い主さんとお見受けしましたし。(わー、誉められた。”いいこだねって撫でられた犬のように嬉しい!)散歩の時に引っ張りますか?」
「それはもう少なくなりました。でも、あっち行くの嫌、こっちがいい、と要求します」
「あ、我儘ですね。それは引っ張るのと同じことで、自分がやりたいようにしたいという我儘なんです。要求吼えはしますか?」
「早く散歩に行きたい、という時だけです」
「まあ、いいほうでしょう。でも、絶対にそれで言うことをきいちゃうようにはしないで下さい。犬は30分吼えれば言うことを聞いてくれるって分ったら、30分吼えますからね。人間の食事の時は待てますか?」
椅子に繋がれてバタバタしていたMAXはようやく繋留から解かれ、テーブルの脇にくることが許された。
「可愛いんだけど、今日はMAXくんに触れないようにします。では、次のセッションまでにやっていただきたいことを説明しましょう」
そして、10項目の基本ルールを申し渡されたのである。
このルールは中西さんの『DOGGY LABO』ホームページに載っているので、ぜひお読みいただきたい。そのほかにも、参考になる記事満載である。
(www.doggylabo.com/がURL)
もっとも大変なルールは、必要以上に触らない、見ない、名前を呼ばない、というもの。だって、ゴールデンって今が一番可愛いんだもん!
といわけで、その後のMAXがどうなっていったか、2回目のセッションはどうなったかは、次回レポートしたい。




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アハハハハ・・可笑しくて可笑しくて・・笑っちゃいましたよ。JAZZを語る時の余裕が微塵も無く、若い女性のトレーナーさんの前で、MAXよりパパの方が神妙になって、ヨイ子ヨイ子してるじゃないですかぁ。まるで自動車教習所に通う生徒さんみたいですよぉ。車より犬の方が手強いでしょうが・・。それにしても世帯主さんのアイデアは毎回ヒットですね。
この後 どんな汗と涙と笑いの感動スペクタクルになるのか?!
取り敢えず次回を楽しみにしていま〜す。
horirin
2006/03/07 01:02

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